桜と日本文化

桜と日本文化

いよいよお花見シーズン到来です。家でも職場でも、春めいてふわふわ、そわそわ。花より団子と言いつつも、春の光の中舞い散る桜の花びらに風情を感じ、桜が大好きな日本人。紀友則からコブクロまで、桜文化の背景を見ていきましょう。

諸行無常の日本文化
日本の文化は、諸行無常の概念を含む仏教の影響と結び付いたものが多く見られます。こうした概念と桜の花が結びつきは、日本固有の自然情緒や精神を第一主義とした18世紀の学者、本居宣長に起因するとも言われているのです。

はかない桜の美しさ
花のはかなさ、美しさと命の短さは、生き物の命に結び付けられ、日本文化に溶け込んで象徴的な存在とされるようになりました。こうした思想を背景に日本の歌には、花そのものよりも、散りゆく花びらの美しさを詠んだものが多いのです。たくさんの新旧桜の歌の中には、例えばこんな有名なものもみられます。

日本人ならではの精神背景
震災後は、饗宴や宴会などあらゆる楽しみを自粛した日本人。中には毎年の行事としてのお花見をしない人たちも多く見られました。こうした“自粛”を海外では言葉(やマインド)に訳しきれず、一般的にはself-restraint (自制)と解釈をしていましたが、多くの海外メディアが “自粛”を訳さないままJishukuと報道し、この言葉は世界を駆け巡りました。これもまた、日本人文化に深く根ざした日本人らしい言葉なわけですね。「花より団子」も、そもそもは日本人ならではの心から“花を愛でよ”の気持ちがあるからこそ、生まれた言葉なのでしょう。